精神的な病の苦しみをなくす方法
それまで無意識にやっていたことを強く“意識する”ようになると、それまでうまくできていたことがうまくできないようになる。
そして、「どうしてうまくできないのだろう」と考え悩むことにより、そのことをさらに強く“意識する”ようになってまったくできなくなってしまう。
精神的な病で苦しんでいる人は、このようにして苦しむことになっていきます。
ですから、「精神的な病で苦しむことになった原因は、強く“意識する”ようになったこと」ということもできます。
このように考えると、「強く意識するようになったことを意識しないようにすれば症状が出なくなり苦しみはなくなる」ということになります。
精神的な病の苦しみは、症状に対する強い(マイナス)意識をなくせば症状は出なくなり(症状と感じなくなり)、苦しみはなくなるのです。
しかし、精神的な病の症状をまったく意識しない・考えないようにすることはとても難しいことです。
不可能に近いことなのです。
「意識しないようにしよう。考えないようにしよう」と思っていても、どうしても頭に浮かんできてしまいます。
それでは、症状のことが頭に浮かんできた時にはどうするか?
症状のことが頭に浮かんできた時、マイナスに考えるからつらくなるのです。
もし、症状のことが頭に浮かんできてもプラスに考えることができればつらくなることはなく、逆に「パワーが出る」というように考えると、症状を活かすことができるようになります。
症状をまったく意識しない・考えないようにすることは不可能だから、「精神的な病の症状が出ることはすごいこと。精神的な病の症状が出る人はすごい人」と精神的な病をプラスに考えるようにして、症状のことが頭に浮かんできた場合、そのことを活かすようにしていくのです。
精神的な病で苦しむ人がいない世の中にする!
精神的な病で苦しむ人がいない世の中にする方法がひとつあります。
「精神的な病の症状が出ることはすごいこと。精神的な病の症状が出る人はすごい人」
という世の中になることです。
精神的な病では、“自分を責める”ことによって苦しみが生まれます。
「精神的な病の症状が出ることによって苦しみが生まれる」と思っている人がいるかもしれません。
精神的な病の症状が出るから苦しくなっているのではありません。
精神的な病の症状が出て、「こんな症状が出て情けない」と自分を責めるから苦しくなるのです。
“人前であがった”だけでは苦しみは生まれません。
人前であがって、「人前でアガルなんて情けない」と自分を責めることで苦しくなるのです。(あがり症)
“戸締り確認を何度も繰り返した”だけでは苦しみは生まれません。
戸締り確認を何度も繰り返して、「戸締り確認を何度も繰り返すなんて情けない」と自分を責めることで苦しくなるのです。(強迫性障害)
“特定の場面でまったくしゃべることができなくなる”だけでは苦しみは生まれません。
特定の場面でまったくしゃべることができなくなって、「まったくしゃべることができないなんて情けない」と自分を責めることで苦しくなるのです。(場面緘黙症)
このように、精神的な病では、症状が出ることで苦しみが生まれるわけではなく、自分を責めることで苦しみが生まれているのです。
どうして精神的な病の症状が出ると自分を責めてしまうのでしょうか?
「精神的な病の症状が出ることは情けないこと」
という思いがあるからです。
精神的な病を“敵”だと思っているからです。
精神的な病を“敵”だと思って、精神的な病と戦っていることが、精神的な病の苦しみとなっているのです。
精神的な病を“敵”だと思って、精神的な病と戦うことによって精神的な病の苦しみはどんどん大きくなっているのです。
どうすれば、精神的な病と戦わないようになるか?
どうすれば、「精神的な病の症状が出ることは情けないこと」と思わないようになるか?
「精神的な病の症状が出ることはすごいこと」
という思いになることです。
「精神的な病の症状が出ることはすごいこと。精神的な病の症状が出る人はすごい人」
という世の中になることです。
このような思いになることができれば、精神的な病の症状が出ても「情けない」と思うことはありません。症状が出ると「よし、俺はすごいぞ!」という思いになることができます。
ですから、「精神的な病の症状を消そう」と精神的な病と戦うこともなくなります。
“人前でアガル”ことはすごいことです。
自然に声を震わすことができるのです。
“戸締り確認を何度も繰り返す”ことはすごいことです。
絶対泥棒が入らなくなります。
“特定の場面でまったくしゃべることができなくなる”ことはすごいことです。
普通の人は、ずっとしゃべらないでいるということはできません。
精神的な病で苦しんでいる人は、どんなことでも完璧を目指して頑張る“完璧主義者”です。
精神的な病で苦しんでいる人は、「小さな失敗でも相手に迷惑をかけてしまう」という思いが強いので、とても“敏感”なのです。
精神的な病で苦しんでいる人は、いつも相手を傷つけないようにするために、相手の心を読もうと努力しています。だから、相手の“心を読む力が身についている”のです。
このように、「精神的な病の症状が出ることはすごいこと。精神的な病の症状が出る人はすごい人」なのです。
私は、精神的な病で苦しむ人がいない世の中にする方法はひとつだと思っています。
“「精神的な病の症状が出ることはすごいこと。精神的な病の症状が出る人はすごい人」という世の中にすること”
このような世の中になれば、精神的な病で苦しむことがなくなると思っています。
私は、「世の中のどんなことも、紆余曲折ありながらも最終的には正しい方向に進んでいく」と思っています。
ですから、いずれは、「精神的な病の症状が出ることはすごいこと。精神的な病の症状が出る人はすごい人」という世の中になって、精神的な病の苦しみはなくなると思っています。
現在、まだ、精神的な病をなくす方向とは逆の方向を目指している人が多くいます。
先導している人が、「精神的な病と戦って精神的な病の症状をなくす」を謳っているグループ・○○克服教室などがあります。
(「症状が出ないように努力する」ということは、“精神的な病と戦っている”ということです)
人それぞれ考え方があります。
私は、「精神的な病の症状が出ることはすごいこと。精神的な病の症状が出る人はすごい人」という世の中にならなければ、精神的な病で苦しむ人がいなくなることはないと思っています。
「精神的な病の症状が出ることはすごいこと。精神的な病の症状が出る人はすごい人」という世の中に変えていき、精神的な病で苦しむ人はいなくすることが、現在生きている我々の役割ではないかと思っています。
精神的な病を治す必要ないんです。精神的な病を克服する必要ないんです。そのままでいいんです。
「精神的な病を治そう」「精神的な病を克服しよう」という思いが苦しみを大きくしているのです。
「どうして、せっかく与えてもらった才能を捨てようとするのですか?」
あなたに与えられたのは障害ではありません。“才能”です。