精神的な病で苦しんでいる人は、「自分を愛してあげることができない人」です。
どうして「自分を愛してあげることができない」ようになってしまったのでしょうか?
「精神的な病で苦しむ人は、子供の頃、とてもつらい家庭環境だった人が多い」と言われています。
「両親が喧嘩ばかり」「親は働かないでお酒ばかり飲んでいる」「親は仕事ばかりでいつもひとりぼっち」「いつも勉強のことで怒られる」「親が怖くて気軽に話ができない」…
しかし、精神的な病で苦しんでいない人でも、このようなつらい家庭環境だったという人はいるかもしれません。
「精神的な病で苦しむようになるか、ならないか」を決めるのは、自分に注がれた“親の愛情の量”ではないでしょうか。※
食べるものを買うことができない時もあるような貧しい家庭でも、親が心の底からの愛情をいつも子供に注いでいると、子供の顔はいつも自然と笑顔になります。
逆に、どんなに裕福な家庭で、何でも子供が欲しいというものを与えていたとしても、そこに子供に対する本当の愛情がなければ、子供は親の愛情を感じ取ることはありません。
“親から心の底からの愛情をたくさんもらって育った人”と“親から本当の愛情が与えられることなく育った人”、この違いが「精神的な病で苦しむか、苦しまないか」に大きく影響するのではないでしょうか。
“親から心の底からの愛情をたくさんもらって育った人”は、「自分は愛情をたくさんもらえるような価値のある人間なんだ」という思いを持って育っていきます。
一方、“親から本当の愛情が与えられることなく育った人”は、「自分は誰からも愛されない価値のない人間だ」という思いで育っていくのです。
この違いによって、“自分を愛してあげることができる人”と“自分を愛してあげることができない人”に分かれるようになってしまうのではないでしょうか。
“自分を愛してあげることができる人”は、自分がやりたいことをどんどんやっていきます。
「もしかしてうまくできないかもしれないよ」と不安が浮かんできても、「大丈夫だよ、俺ならうまくできるよ」という思いになることができるので不安はすぐに消えていくのです。
“自分を愛してあげることができない人”は、何かを始めようとする時でも、「失敗するかもしれないな。つらくなるだけだ。やめておこう」という思いになって、やりたいこともできないようになるのです。
そして、「精神的な病で苦しむようになるか、ならないか」の分かれ目になるのが、「大きな失敗をした時にどのように対処するか」です。
“自分を愛してあげることができる人”は、「大丈夫、たまたま失敗しただけだよ」とその失敗を引きずることはありません。
一方、“自分を愛してあげることができない人”は、「どうしてこんなことで失敗しているんだ。情けないよ。もう二度と失敗は許されないぞ」と自分を強く責めてしまいます。このことによって、その失敗したことを強く“意識する”ようになります。
このことが、精神的な病につながっていくのです。
あなたが精神的な病で苦しんでいるいちばんの理由がわかったのではないでしょうか。
あなたが精神的な病で苦しんでいるいちばんの理由は、「自分を愛してあげていない」ということです。
(“自分に注がれた親の愛情の量”が、このことに大きく関係している)
精神的な病の苦しみをなくすには、まず、「自分を愛してあげる」ことから始めなければいけません。
どんなつらい時があっても「自分を愛してあげる」
このことから始めてください。
※「親からの愛情の量が少なかったから、精神的な病で苦しむようになったんだ」と言って、親を憎んではいけません。
「親が自分に対してあまり愛情を注いでくれなかった」ということは、あなたの親も、「親からあまり愛情を注いでもらえなかった」ということなのです。
そして、あなたの親は、自分自身「親からあまり愛情を注いでもらえなかった」ことに気づかずに、結婚して、あなたという子が生まれ、自分が育てられていた時と同じように、あまり愛情を注ぐことなくあなたを育てるようになってしまったのです。
だから、親を憎んではいけません。
あなたは、「子供の時に親の愛情の量が少ないと、精神的な病で苦しむ可能性が高くなる」ということに気づくことができました。
これからは、親を憎むのではなく、あなたと同じように子供の頃あまり愛情を注いでもらえなかった親に、たくさんの心の底からの愛情を注いであげてください。
そうすると、親も自分に足りなかった愛情の大切さを感じるようになります。