条件反射

精神的な病の症状は“条件反射”によって起こる!

人前で発表する場面になるとアガル。(あがり症)
戸締り確認を何度も繰り返す。(強迫性障害)
ある特定の場面になるとまったくしゃべることができなくなる。(場面緘黙症)

これらの精神的な病の症状は“条件反射”によって起こります。


“条件反射”で有名なのが「パブロフの犬」の実験です。

条件反射(じょうけんはんしゃ)とは、動物において、訓練や経験によって後天的に獲得される反射行動のこと。ソビエト連邦の生理学者イワン・パブロフによって発見され、パブロフの犬の実験で有名になった。

パブロフが行なった実験は、以下のようなものである。
1.イヌにメトロノーム(ベル・ホイッスル・手拍子・足踏みと言う説もある)を聞かせる。
2.イヌにえさを与える。イヌはえさを食べながらつばを出す。
3.これを繰り返す。(上記の二つのプロセスを条件付けという)
4.すると、イヌはメトロノームの音を聞いただけで、唾液を出すようになる。

(Wikipedia抜粋)



あがり症で苦しんでいる人は、以前、人前であがってしまってとてもつらい思いをしたことによって、同じような場面になると、“条件反射”によって激しい動悸などが起こり、あがってしまうようになってしまったのです。

強迫性障害で苦しんでいる人は、以前、戸締り確認をしっかりやらなかったことでとても不安になり、激しい動悸などでとても苦しくなったので、それから戸締り確認をする場面になると、“条件反射”により、自分が納得するまで何度も戸締り確認を繰り返してしまうようになってしまったのです。

場面緘黙症で苦しんでいる人は、以前、ある特定の場面でまったくしゃべることができないようになり、「全然しゃべらないね」などと言われ、とてもつらい思いをしたことによって、以前つらい思いをした同じような場面になると、“条件反射”により、まったくしゃべることができなくなってしまったのです。



「これまで無意識にやってきたことを、とても強く“意識する”ようになり、うまくできなくなっている状態」が精神的な病の症状です。


ある場面でとてもつらい思いをした。→同じような場面になると、以前の苦しみが頭の中に浮かんでくる。(条件反射)→そのことをとても強く“意識する”。→うまくできず、さらに苦しむ。

この悪循環を繰り返すことにより、症状はどんどん悪化してしまうのです。



「どうしてうまくできないのだろう」「どうしてこんなに苦しくなるのだろう」などと、精神的な病を難しく考える必要はありません。 精神的な病の症状は、これまで無意識にやってきたことを、とても強く“意識する”ようになり、うまくできなくなっているだけです。

とても強く“意識する”ようになった原因が、“条件反射”です。