『どうして強く“意識する”ことが精神的な病につながるのか?』

これまで無意識にやっていたことを強く“意識する”ようになると、これまでうまくできていたことがうまくできないようになる。
そして、「どうしてうまくできないのだろう」と考え悩むことにより、そのことをさらに強く“意識する”ようになってまったくできなくなってしまう

このようにして、強く“意識する”ことが精神的な病の苦しみにつながっていくのです。



どうして強く“意識する”とうまくできなくなってしまうのでしょう?

あることを強く“意識する”ようになる以前(無意識にやっている時)も症状のようなものが出ることはあったのかもしれません。しかし、意識していないからそのことに気づかなかっただけなのです。



しかし、強く“意識する”ことによって、そのわずかにおかしいことに気づいてしまいます。
(精神的な病で苦しんでいる人は“敏感”な人が多い)※1

それからは、そのわずかにおかしいことをとても気にするようになってしまいます。
(精神的な病で苦しんでいる人は“完璧主義者”が多い)※2

そのわずかにおかしいことに神経が集中するようになってしまうのです。


集中しなくていいところに、神経が集中してしまうことによって体全体がギクシャクした動きになってしまい、どんどんうまくできないようになってしまうのです。


そして、「とても大事な場面でうまくできず、情けない思いをした」というような自分が傷つく大きな出来事が起こることにより、「うまくできない」ということに“恐怖心”が加わります。

“恐怖心”が加わることにより、苦しみが発生するのです。


あることを強く“意識する”ようになる→うまくできなくなる→恐怖心が加わる→さらに強く“意識する”ようになる→まったくできなくなってしまう

この悪循環によって苦しみはどんどん大きくなっていき、この悪循環から抜け出せずに精神的な病として苦しむことになってしまうのです。


このような悪循環で精神的な病の苦しみはどんどん大きくなっていきます。



苦しみの原因がわからない人は、「どうにかしなければいけない」といろいろなことを考え悩み行動します。
しかし、そのことがあることに対する意識をさらに強めることとなり、症状がひどくなって苦しみは大きくなってしまうのです。



精神的な病を難しく考えないでください。考え悩み続けることによって苦しみはどんどん大きくなっていきます。


精神的な病の苦しみは、あることを強く“意識する”ことによってうまくできなくなり、その状態に“恐怖心”が加わることにより生まれます。

精神的な病の苦しみ = あることを強く“意識する”(執着)+ “恐怖心”

を頭の中に入れておいてください。




※1※2
子供の頃にとても厳しい環境で育ったため、「親に怒られないようにしなければいけない」「親を悲しませないようにしなければいけない」といつも考えていた人が多いのです。
このことが、「精神的な病で苦しんでいる人の多くは、“とても敏感”“完璧主義者”」ということに大きく関係していると思われます。